自分がガンになって一番辛いと思うのは、自分が先に逝ったあとの残された家族を想像したときだ。
最初にガンによる死を意識したのは2010年43歳になりたての頃。
右お尻のできものが悪性ではないかと疑われた時だ。日本橋のクリニックでそう言われ「うちでは機材がなくて対処できないから」と東京医科歯科大学病院を紹介された。待合室で紹介状ができるのを待つ間、涙がこぼれないように上を向いて我慢した。
これは手術はしたが最終的には良性だったので、手術後だんだんと辛かった記憶も過去のものとなり元の生活に戻れた。
それから約10年。2019年には食道ガンになった。今回は正真正銘の悪性ガン。
余命宣告されたわけではないが、リーチが掛かったのは事実。
また、泣けた。
幸い奇跡のように早い段階で見つかったので「取り切りました」と言ってもらえたが、消化器系のガンなのでおそらくミクロレベルでガン細胞は体内に飛び散っただろうし、再発の危険だってある。
アルコールはドクターストップになった。
眠れなくなって毎晩睡眠薬を飲んで規則正しい生活を送っている。
3ヶ月に一度は病院に行って精密検査。
今度は元に戻ったという気がしない。自分の人生はどこで終わるか分からないという思いを払拭できない。残していく家族の寂しさを考え何度も泣いた。
その後の経過観察や周辺検査の中で、昨年2021年に両肺に初期のガンが見つかり、先月胸腺腫が見つかった。最初10年だったインターバルが1年半になっている。
この間自分の直面している危険性や自分がいなくなった後の家族のことを考えて何度も泣いたな。
いっぱい泣いたな。
パニック発作を起こしながら、何度も泣いてきた。
強くなりたくて少林寺拳法の修行にのめり込んだけど、人間が泣くのは仕方ないよな。Gunオヤジはもともと泣き虫だったし。
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