人生とは「体験を味わう」こと

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桔梗の写真 ガン随筆

ガンになって2年半が過ぎた、別の場所にも初期のガンが見つかったが今のところどれも経過観察で済んでいる。とは言え、ガンになってから「死」を意識しない日は無かった。
Gunオヤジに子供はいない、そんなこともあり私が先に逝ったあと1人残される妻を思うと胸を掻きむしられる思いになる。

なんで人は生きるのかと考えることも多かった。
でも、人生は嫌かと聞かれれば、良いことも悪いことも含めて楽しかったし、もっと生きたいとも思う。

では人生の価値とはなんだろう。
お金を持つこと? 物を持つこと? 美味しいものを食べること? セックス?

それらも含めてとなるが、「体験すること」そのものに価値があるのではないだろうか。

誰もが同じスピードで人生の残り時間を消費している。挑戦すれば失敗もするし、得るものがあれば失うものもあって結局どの人生も大差ないと思うのだが、その幅や頻度やバリエーションが個人的な「人生の達成感」につながるのではないだろうか。

命が永遠なら関係ない。先送りしたっていつかは体験できるから。でも与えられた時間に限りがあるならその中で体験しないとその先はない。
「旅」が薦められるのも違った空間や価値観を体験できるから、「勉強」が薦められるのも違った世界観やチャンスを得られるから。「会いたい人に会う」ことも自分を自分で認める体験ができるから。「趣味に没入」するのも挑戦する体験や達成する体験を味わうため。

そう考えると人生とは「体験を味わう」ことだと言える。
未来を味わう準備は必要だけど、未来を今味わうことはできない。味わえるのは「今、その瞬間」しかない。
その瞬間瞬間を味わえるかどうかで人生の達成感が変わってくる。
残された時間、「体験を味わうこと」に真剣になろうと思う。

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