同僚が悩んでいる

ホーム » ガン随筆 » 同僚が悩んでいる
ガン随筆

Gunオヤジは会社でも自分がガンであることをオープンにしている。結構大変な会社なので病気のことを知らせておかないと無理の連続で病気を悪化させかねない。もちろん、病気だからといって仕事が減るわけではないが。。。

そんなこともあり同僚からガンの相談を受けることもある。
肺にすりガラス結節が写ったことをきっかけに定期的に会話するようになったある同僚がいる。すりガラス結節が写ったということは肺に前ガン病変があるということだ。
たまに会話をしていたのだが、数ヶ月前に部門を異動されてしばらく会話をしていなかった。おととい久々に「話さないか」と言われ、今日小一時間会話をした。
最初は関係ない仕事の話だったが、後半になって「暗い話をしていいか」と切り出され、途切れ途切れに最近の状況を語ってくれた。

その同僚はよく献血をするらしい。ある時その血液検査結果が芳しくなく、最近の定期検診の報告書を見直してみたら要注意項目が並んでいたことに気がついた。そこで慌てて近所のクリニックで検査したところ肺とは別の部位に前ガン病変が見つかったようだ。
早期でまだ危険性はない。ただし8月に再検査する流れであることがわかった。
もっと早く連絡したかったけど、泣いてしまって会話にならないのではないかと自分の心が落ち着くまで待っていたそうだ。
「なんで自分が」とか「ダブル・キャンサーか」とか色んな思いで混乱していたらしい。

気持ちはよく分かる。ガンはピンコロに近い病気。自覚症状がフィジカルに出るのは相当進んでからだ。だたし、発症したことがわかったら例えそれが早い段階でもメンタルには相当くる。
理屈でわかっていたはずの人生の終わりを急に目の前に突きつけられる感覚。実際に死を感じた人にしか分からないが、この混乱は時間が経たない限り収拾がつかない。
Gunオヤジだって、今でも1人になって涙が止まらなくなることがある。考え過ぎればパニック発作を起こすこともある。
人生のゲーム・オーバーを意識させられることはそれぐらい辛いことだ。

せっかちなGunオヤジが根掘り葉掘り聞いたり、先回りして諭すことの無いよう一生懸命自分を抑えて話を聞いた。今その方に必要なことは話を聞いて、共感してあげることだ。
泣くことによってのみ人は癒される。

コメント

タイトルとURLをコピーしました