小さな攻防

ホーム » ガン随筆 » 小さな攻防
ガン随筆

先日、胸腺腫手術から1週間の診断を受けてきた。

傷口は綺麗だと言われた。
胸で数カ所痛むところがあると伝えたが、その程度は想定内らしい。
退院以来キチッキチッと飲んできた薬だが、これもこれからは少しずつ飲み忘れても良いとのこと。
・・・ということで全体的には経過は良好とのことで安心した。

どのくらいの大きさの部位を切り出したのかと聞いたら、先生が両手の親指と人差し指で楕円を作った。12-3センチといったところだろうか。意外と大きくて驚いた。

頑張ってくださったお礼に菓子折りをもってきたが、公立系病院では受け取ってもらえないのが一般的だ。
そこで先生が電話しているうちにカバンからそっと出しさりげなくテーブルの端に置いた。
帰り際に気づかず置き忘れる作戦にしたが、先生が「忘れ物があります」と力強く言う。
ここは感情を表情に出さず「いえ、私のではないです」と言い、そそくさと診察室を後にした。

褒められた行動でないのは分かっている。
ちょっと申し訳なかったが、あとは「仕方ないなあ」と言いつつ、食べてもらえることを祈るばかりだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました