親父のくれた人生訓

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ガン随筆

「来てみればあっという間だったなあ」数年前に病床でGunオヤジの親父が言った言葉だ。

仕事に穴を開けてはいけないと、キリがつくまで1ヶ月以上も先延ばしにした手術、でも1週間ちょっとの入院期間も終盤に入り明日には退院となる。
今日この先、最後の昼食、最後の検査、最後の夕食・・・と今回入院の最後シリーズが続く。

病気が見つかった時は手術など大分先のことだと思っていたが、いざ終わってみたらあっという間のここまでだった。

Gunオヤジは次男坊だが、うちの実家は長男と次男の扱いに極端な差がある。差があるというより差別に近い。そんなこともあり親との関係はあまり良いとは言えない。
そして親父は「見えざる父」という昭和のサラリーマン典型的な一つの雛形だった。

冒頭に書いた「来てみればあっという間だったなあ」という言葉はそんな親父がくれたほぼ唯一の人生訓だ。

ちなみに親父はその後持ち直し、90を超えた今も痴呆の気はあるもののピンピンしている。今では皮肉なことに息子のGunオヤジの方が先に逝く可能性が高くなってきた。

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