逆縁

ホーム » ガン随筆 » 逆縁
ガン随筆

一昨日の晩、実家の母親から電話があった。Gunオヤジと両親との関係はちょっと複雑でお互いあまり電話をかけることがないのでちょっと嫌な予感がした。
出てみると「お父さんが変なのよ・・・」から始まり、前日あたりから食事も水分も摂らずに寝たきりで本人も「そろそろお迎えが来る頃か」と溢したとか。
そこで昨日は別の予定をキャンセルして実家に行った。万が一を考えるときちんと会っておくことが父親にもGunオヤジにも大切だと考えたからだ。

行ってみるとすっかり痩せ細ってはいたが父親は普通にしていた。
もうすぐ90歳、やや痴呆が入りかけているので動作は緩慢だが、お迎えを心配する状況ではなかった。
拍子抜けしたがまずは一安心。
もう歳だし、日によって体調の良し悪しに波があるのではないかと思われた。
懐かしむかと思って子供の頃の思い出話をしてみたが、覚えてなかった。寂しいが仕方ない。

母親は親戚の近況ばかりを話したがる。あまり興味はなかったが、話相手もおらず話すネタも豊富ではない母親のガス抜きなのだろう。Gunオヤジは時折相槌をうちながら黙って大人しく聞いた。

一通りガスを抜き終わると母親は今度はこちらの病状を聞いてくるが、あまり詳しくは話さず「とにかく大丈夫だ、大したことはない」と言っておいた。

悔やんでもしかたないことだが、Gunオヤジと両親とどちらが長生きするかも分からないような状況になってしまった。
親より先に逝くのは一番の親不孝と言うが、頑張り過ぎて生き急いでしまったかもしれない。年老いた両親を見ながら複雑な心境になった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました