Gunオヤジは先ほど「短時間勤務制度 申請書」なるものを上司に提出した。9月から週4日勤務にして欲しいという申請になる。
Gunオヤジが勤める会社は外資系企業のため、こういう社内制度が充実しているのは良い点だと思う。入社して32年目になるが、忙し過ぎて会社の福利厚生制度をあまり利用したことがない。ただ福利厚生や諸制度を使わずに会社を辞めるのももったいない話だし、社員の権利として使えるものは使っておこうと思う。
時短勤務は「小さな退職」みたいなものとも言える。大学を卒業して就職し30年以上もひとつの会社に勤め上げてきた。
外資系だったがしっかり学閥があり、Gunオヤジは庶民的な大学出身のため先輩はおらず学閥の会で引っ張り上げてもらうこともなく、1人で勝負するしかなかった。営業部でサーバーが3台しか売れなかった年に1人で2台売ったこともあったが、後の執行役員が2人も配属されていた精鋭部隊でGunオヤジの業績は正当に評価されることはなかった。
それでも個別には表彰されることもあり、後の社長がまだ事業部長だった時に何度か表彰された。
大規模なビジネス・パートナー制度変革の時に最大のビジネス・パートナーを担当してほぼ1人で構造変革の事務処理作業をやり切ったこともある。
社長専属広報員をしていた時も周りが妬むほど社長に可愛がっていただいた。
お客様のエグゼクティブ専門の研修センターで圧倒的な受講満足度を叩き出した。地方のユーザー研究会からも引っ張りだこで多くの方から感謝の言葉をいただいた。
「社長賞」を取ろうと部門で発言して上司や仲間をその気にし社長賞受賞になったが、最後の最後にグループリーダーが申請書のメンバーを総入れ替えして功績を横取りされたこともあった。
サービス部門で問題社員チームのリーダーを任された時は、自分もアクの強いリーダーを演じて癖の強い皆をまとめあげることに成功した。
人事で新人研修インストラクターをしている直近の10年間でもたくさんの笑顔を見て、たくさんの感謝の言葉をいただいた。あまりに高いインストラクター評価スコアにグローバルの研修責任者から「ワールド・レコードおめでとう」のメールをいただいたこともある。
仕事以外にも社内に運動部を2つも立ち上げた。
・・・振り返ると数々の伝説を残したことに気づく。
でも、出世とは縁の無い会社員生活だった。
一方で、物凄く可愛がって下さる方にも何人も出会えた。
時短勤務の申請は、そんなドラマチックだった自分のビジネスマン生活を畳み始める正式な意思表明ともいえる。
正直Gunオヤジはちょっと寂しい。
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