ネットで見ず知らずのスペイン人からメールをもらったのはもう数年前。グーグル先生の力を借りて、お互い片言の英語で会話をした。先方はスペイン南部のアルメリアという港町に住んでいて、家族は奥様と2人のお子さん、そしてお嬢さんの犬。
ひょんなことからトントン拍子に話が進み、Gunオヤジは単身スペインまで遊びにいくことになった。会ったことのない人に会いにいくのは危険だが、単身なら最悪命は守れるだろうと気楽に構える。
とは言えヨーロッパは初めてのこと、Gunオヤジかなりドキドキ。
飛行機はモスクワ空港で乗り換えの予定だった。成田空港で「預けたスーツケースは直接届くのか、乗り換えの時自分で持っていかなくてはならないのか」を確認。確認と言っても相手はデルタ航空の社員なのでグローバル・スタンダードの英語で話さなくてはいけない。
日本を出る前から言葉の壁に四苦八苦。
乗り換えのモスクワ空港ではだだっ広い空港内をひたすら歩いて目的の乗り場へと移動。ロシア人らしき人にロシア語で「この飛行機はマドリード行きか」と聞かれた。どう見てもロシア人にもスペイン人にも見えない私になぜ聞く、と思いながらも、英語で「そのはずだ」と答えるなど初体験のオンパレード。
ようやく着いたマドリードでは市内のホテルで一泊。地下鉄に乗ったり市内を歩いたりしてみた。イカフライをパンに挟んだ食べ物がポピュラーというので早速立ち飲みカフェで注文。美味しかったが日本で言う二人前の量が出てきたのには驚いた。日本人は少食なのだと思った。
翌日、レンフェという国鉄を使って南部へと数時間の列車の旅をするのだが、目的の列車が何番ホームに入ってくるか出発時間直前まで分からないという状況。日本の鉄道の行き届いたサービスレベルを実感。
それでも同じ列車を待っていたスペイン人ご家族に助けられ、なんとか目的の列車に乗ることができた。
窓の景色はオリーブ畑の同じ風景が何時間も続いた。「日本の鉄道は色んな景色が楽しめるから好き」という外国人の発言をテレビで見たことがあるが、このことかと実感した。
列車に乗っていると「この列車は終点アルメリアまでは行かない」とアナウンスがあった。慌てて友人にメールで伝えると「今、工事中なのだ。気にするな、車で迎えに行く」と返事。おおらかな国だと思った。
ホテルの朝食のパンを持ってきていたのでそれを齧りながら、鉄道の旅を楽しんだ。
乗り鉄の気持ちなど分からなかったが、この鉄道の旅で初めて列車で目的地へ向かう乗り鉄達のドキドキが少し分かったような気がした。
つづく・・・かもしれない。
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