スペイン南部アルメリアの旅 6　旅はしてみるもの

スペイン旅行もいよいよ終盤、空港へ向かう時間になった。
「タクシーで行くのが分かりやすい」と本に書いてあったが、ホテルのフロントで「バスの方が遥かに安い」と言われた。そしてバス停とチケット売店を教えてもらえた。
タクシーよりバスの方が断然面白い。海外旅行だ、面白い方優先でいきたい。

時間があったので街をぶらついてチケット売場とバス停を確認した。これならイケると踏んだ。
街をブラついたあと、荷物を持ってバスで空港へ行った。

マドリードの空港内で時間を潰していると誰かの大きな声が聞こえてきた。（喧嘩かな）と思い目を向けると沢山のカートを押している黒人のおじいさんが陽気に歌っていた。
空港職員と思われる、そしておそらくアフリカからの出稼ぎではないだろうか。海の向こうはアフリカなので出稼ぎが多いと聞いていた。
ひとしきり歌い終えると周囲から沢山の拍手が。成田空港ではお目にかかれない光景に心が和んだ。

マドリードを発ち、イスタンブール空港でトランジットして日本に向かった。
よく考えれば入国はしていないものの、ロシア、スペイン、トルコと物理的には3カ国を回ったことになる。だったら焦らずロシアやトルコでも一泊して街中を見れば良かった。

イスタンブールから日本へ向かう途中、超大型台風が日本に接近していることを知った。空港が次々に閉鎖になっている。成田が閉鎖にならないことを祈るばかりだ。

機内で隣に座った女性はイスラエルから日本観光に来たのだという。お嬢さんが先に日本に来ていて、新宿で落ち合うという。
空港を出ようとしたら、その人がエアポート・リムジンのチケットを買おうとしていた。旅は道連れとばかりに「新宿はほぼ帰り道だ。自分は自家用車だが乗っていくか」と言ったら、即断即決でイエス。途中一緒にラーメンを食べて、会話しながら新宿まで送っていった。

旅はしてみるものだ。特に海外旅行はいい。
飛行機の上から外国の土地を見ていると、地球が小さく見えてくる、自分のいる世界が広がっていくような感じがする。
今はコロナの影響で海外旅行がままならないが、もうそろそろ世界中が落ち着く頃だろう。
早くまた世界を観に行きたい。