苦笑いしかできなかった

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ガン随筆

Gunオヤジは外資系企業に務めている。外資系企業は実力主義だ。入社年次によって給料が決まっているものではない。年に2回、業績評価の面接が上司とあり、その結果によって毎年給料が変わる

ビジネスの結果はいきあたりばったりでも、面接内容は行き当たりばったりではない。目標を立て、その達成のためどんなスキルを身に付け、どう実践するかを言語化するのだが・・・はっきり言って面倒くさい。

なぜなら仕事はやってみないと分からないことが多いからだ。
大きな問題になるだろうということが意外と大したことなく、思ってもみなかったところに大きな問題があったり・・・それを臨機応変にこなすのが現場だし、それをいちいちトラッキングするのも面倒くさいとGunオヤジは思っている。

しかし会社の仕組みだから仕方がない、昨日もその面接を受けた。
面接の後半で「この先のビジネス目標をお聞かせください」と言われた。

もちろん上司はGunオヤジの病気のことは知っている。
にも関わらず、これから休職して手術を受けるガン患者に、大真面目な顔でビジネス目標を聞く姿は頭の中で想像して滑稽でしかなかった。
苦笑いしながら「すいません。今はそんなこと考える余裕はありません」としか言えなかった。

上司は真面目な方だ。自分より年下の部下ばかりで大変だと思う。
「ガンだからといって目標を立てなくて良いかといえば、それも違うと思います」とも言われていた。
立場は分かるので大きくうなづいておいた。

さて、自分が逆の立場だったら、どう言うだろう。

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