そんなの知るか

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ガン随筆

3年前の食道ガンの時、当時のFacebookを見ると発見当初は「死ぬまで生きるまでだ」「それまで何して遊ぼう」と格好つけた発言が多々見られる。でも日を追うごとに不安が蜘蛛の糸のように絡みつき、じわりじわりと恐怖の淵へと引きずり込まれていくのが読み取れる。
今胸腺腫が見つかり、またその時のリプレイをしている。

いつから入院になるのかよく分からない中で、会社と休みの調整をしなくてはならない。
強がって余裕の素振りを見せていればガンの辛さは相手には伝わらず、かと言ってあまり弱さを見せているとお荷物と見られて組織に居づらくなる。
微妙なバランスをとる中、ガンになったことのない人からいきなりカチンとくる質問が飛んでくることもある。
それに対応しながら会社と調整をつけつつ、入院までは今まで通りに仕事で力を発揮し続ける。

「イノベーションの会社だ」「常に新しいことに挑戦する会社だ」・・・そんなこと30年もいるGunオヤジがよく知っている。でも今のGunオヤジに健常者と同じように「成長、成長」というのは無理があるよ。そのくらい分かれよ。
1日でも長く充実した人生を送れるよう毎日を生きることが、ガン患者にとっては物凄い戦いであり、残された自分の人生をどうデザインしたら良いかと考えることが壮大なチャレンジなのだ。

・・・恐怖に怯えているのか、他人の言葉を悪意的にとってしまう自分がいる。
そこに気がついてもやはり心に余裕を持つのは簡単ではない。
やっぱり言いたくなる。会社の都合とか他人の思惑とか・・・そんなこと知るか。

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