ガン随筆

独りで起きる朝

朝起き抜けに妻に抱きつかれた。ウトウトしながら私にしがみつくのが心地良いらしい。 妻は生意気だったり自己中心だったりするが、四半世紀以上も生活を共にしてきた戦友でもある。 そして妻の強い希望で我が家には子供がいない。 Gunオヤジ...
ガン随筆

まずは5年生存を目標にする患者に分類された

過去3回、Gunオヤジはガンの手術を受けている。 最初は40代前半、もう10年以上も前のことになる。 これは術後に良性の脂肪腫だったことが判明して比較的早くに過去の出来事へと変わっていった。 2回目は2019年10月の食道ガン。 ...
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「特攻くずれ」という生き方

Gunオヤジが子供の頃はテレビなどで「特攻くずれ」という言葉を聞くことがあった。 特攻くずれの人は当然特攻隊の生き残りなのだが、大体腹の座ったヤサグレの人が多かった。 そう描かれる理由の一つに「死の縁に立たされた経験」があると思う。...
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少し早めにセミリタイアしてみた

会社に入ったのは33年前の1990年。バブルの最後の時期だ。 ブラックマンデーからバブル崩壊まで数年ある。当時はインターネットもなくマーケットの影響が他国に波及するまでに時間が掛かったのだ。 競争の厳しい会社だったが、残念なことにG...
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人は本質的に孤独

妻とは仲が良いほうだと思う。 ただ病気になって思ったのは、仲が良くとも死期は別々だということだ。 できれば見送ってあげたいが、こればかりはなんともできないし、客観的に見れば私の方が先に逝く確率が高いような気がする。 どんなに好...
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当たり前ではないラッキータイム

今日という1日は偶然もらえたラッキータイム。 明日も来る可能性は高いかもしれない。 でも10年後には来てないかもしれない。そしてその時には振り返ることさえできなくなっている。 いつ可能性が変わるのか、変わり目が急なのか徐々になのかはな...
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老後の時間はくるのか?

今月に入って2日に1度の頻度で病院に来ている。 そして病院に来ると、たくさんの老人達を見る。 ふと思う。私にこの人達のような老後という時間は来るのだろうか。 来た方が良いのか? 来る前に打ち上げ花火みたいに散った方が幸せか? ...
ガン随筆

眠剤に関する覚書

歳のせいかもしれないが、だんだん寝つきが悪くなっていた。 そして3年前の食道癌以来、睡眠がメチャメチャになった。 会社の健康診断で産業医に睡眠外来の受診を進められ、以来Gunオヤジは睡眠導入剤を毎晩飲んでいる。 昨年9月の胸腺腫手術以...
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「けんかえれじい」から「極楽とんぼ」へ

「お前にも竹を割ったようなところがあるにはある。しかし俺のみるところそれは軍人精神とは似て非なるものだ」決して体格に恵まれたわけでもない主人公の南部麒六が、負けても負けてもまっすぐに我が道を突き進む姿はなんとも清々しい。 高校の頃に「けん...
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5年生存率

食道ガンの手術から3年半が経つ。食道ガンはステージ1でも5年生存率は70%台。同じ条件の自分が10人いたとしてそのうち2人は確実に死ぬということだ。悲観と恐怖に飲み込まれた。 ある時他のガンサバイバーから次の言葉を聞いた。 「あなた...
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